アパレル業界も、省エネ対策としてさまざまな取り組みを行っています。ここではアパレル業界のエネルギー消費の特徴や省エネ対策などを紹介します。
アパレル業界のエネルギー消費で問題となるのは、ファストファッションによる環境問題です。
ファストファッションとは、1990年代後半あたりから聞くようになった言葉です。衣類を大量に生産し、余った衣類は大量廃棄をする、ということが繰り返して行われてきました。できるだけ低価格で販売するために、海外で生産をして輸入をし、製造と廃棄を繰り返してきたのです。
海外での生産段階はさまざまな工場や企業で分業されて行われているため、環境にどの程度の負荷を与えているのか、把握するのは難しいのが現状です。
ファストファッションの流行で、CO2の排出や海洋汚染などの深刻な環境問題を招いてしまいます。
洋服を作る段階で、環境汚染だけにとどまらず資源の大量消費も伴っています。例えば、原料となる植物を栽培したり染色をしたりするためには、水が大量に必要です。
大切な資源を大量消費していることも、理解しておかなくてはなりません。
アパレル業界全体で、サステナブルファッションへの取り組みが行われています。大量生産し、大量消費をするサイクルを変え、環境に配慮した素材を使って工程も見直し、長持ちする服を作ることが、アパレル企業の使命です。
使用する素材をリサイクル可能なものにする、オーガニック素材にするなどの取り組みも、サステナブルファッションへの第一歩です。
さらに、ほつれや破れなどが発生すると廃棄につながりやすくなるアパレル製品ですが、自社製品をリペアする体制を整え、消費者が長く着られるようにサポートしましょう。
店舗を構えるアパレル企業においては、店舗で使用する電力消費量の削減に取り組みましょう。商品を美しく見せるために照明は大切ですが、必要のない部分は照明をつけない、明るさを少し弱めるなど、ちょっとした努力でも積み重ねていけば大きな削減効果が得られます。
スローファッションとは、大量生産・大量消費が起こらないように、不要な在庫を持たずに受注生産を行い、必要な分だけ生産して必要な人に届ける、という流れのことです。
アパレル企業と消費者の結びつきがより強いものになり、お互いが協力し合いながらアパレル業界のエネルギー消費削減に取り組めます。
アパレル業界においては、ファストファッションの流行によって大量生産・大量消費が問題視されてきました。たくさん作って安く販売し、使えなくなったら捨てるという流れが、環境に負荷を与えていたのです。
SDGsをきっかけとして環境問題について考える企業が増え、近年はサステナブルファッション・スローファッション・エシカルファッションなどの言葉が注目されています。
アパレル企業としてできることは、丁寧な服作りを行って消費者が愛着をもって着られる服を提供する、店舗運営の方法を見直すなどです。1企業、そして業界全体が少しずつ意識し、環境への負荷をかけずにファッションを楽しめる時代に向かっていくことが大切です。
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