百貨店の省エネ対策とは?

主要都市など全国各地にある百貨店。年間休日が少なく、午前から夜にかけてオープンしているのが特徴です。本記事では、百貨店の省エネ対策について解説します。

百貨店のエネルギー消費の特徴とは?

空調と照明の割合が大きい

百貨店のエネルギー消費は、空調電力や冷暖房用が4割、コンセント用が3割といわれています。百貨店は売り場面積が広い傾向にあるので、その分、消費エネルギーも増えてしまいます。また、年間休日が少なく、午前から夜8時頃までオープンしている店舗が多いため、1年を通して消費エネルギーが高いのも特徴です。

参照元:環境省「民生(業務)分野における温暖化対策技術導入マニュアル」 (https://www.env.go.jp/earth/report/h15-07/02_02b.pdf

白熱灯を多く使用する

照明の割合が大きいのは、店内照明以外の電力を消費していることにあります。百貨店ではスーパーなどに比べて高価なものを多く取り扱っているため、1つ1つの商品がよく見えるように、ディスプレイ用の照明を使用することがあります。この照明には、白熱灯(スポット)を多く用いることから、熱負荷が大きくなってしまうのです。

食品廃棄物が発生する

いわいる「デパ地下」では、さまざまな食品やお惣菜などが販売されています。新鮮なものを取り扱っていている一方、消費期限がその日のうちというケースも多く、どうしても食品ロスが発生してしまいます。また、レストランからの生ごみの排出が多いのも特徴です。

百貨店の省エネ対策

従業員のクールビズ・ウォームビズの推進

冷暖房に頼り過ぎないように、従業員は季節に合わせてクールビズやウォームビズを取り入れましょう。季節ごとにふさわしい服装や制服にすることで、エネルギー使用量の削減につながります。販売員も行うことが理想ですが、まずは取り入れやすい事務部門を中心に行うとよいでしょう。

コンセント動力の節電

百貨店ではコンセント動力も大きな割合を占めています。デモンストレーションの家電製品は、できる限り電源をオフにする、温水洗浄便座の温度設定を下げる、電気式の給湯器やエアタオルなどのプラグを可能な限り抜くなど、細かい対策ですが、年間で見ると大きな違いをもたらします。

照明器具節電の取り組み

広い店内では、消費電力のうち照明の割合が多くなりますが、その分削減効果も期待できます。売り場階段やバックヤードなどの照明器具をLEDに変更したり、お客様の安全を確保した上で照明を間引きしたりしましょう。ディスプレイの輝度を下げるのも効果的です。

生ごみの有機肥料化

デパ地下やレストランなどから出る食品廃棄物のリサイクルも有効です。全国の百貨店の中には、生ごみを有機肥料化し、契約農家で利用、そこで生産された野菜を販売する、脱炭素な循環を行っているところもあります。また、地域のフードバンクと連携し食品を回収するフードバンクキャンペーンも食品廃棄物を減らせる取り組みの1つです。

まとめ

百貨店の省エネ対策について解説してきました。午前から夜にかけて営業していて、年間休日が少ない百貨店は、1年を通して消費エネルギーが多いのが特徴です。消費エネルギーは空調や照明が占める割合が多く、特にディスプレイ用の白熱灯は熱負荷が大きくなっています。デモンストレーション用のコンセントは抜く、温水洗浄便座の設定温度を下げるなど、細かな節電が省エネにつながります。また、食品廃棄物への対策も重要なポイントです。

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