ここでは、水族館や動物園におけるエネルギー消費の特徴と、各施設で行われている省エネ対策をご紹介します。
多数の生き物を扱う水族館や動物園では、生命維持にかかわることから空調・水温の管理が不可欠です。
空気調和・衛生工学会では、「水族館における設備・維持管理に関する調査研究」として、全国の都道府県に設置されている水族館に対し、アンケートを実施しました。水道費・光熱費・維持管理費が運営費の何%を占めるかという項目について、次のように回答が得られました。(※1)
項目\割合 | 5%未満 | 5〜8%未満 | 8〜10%未満 | 10〜13%未満 | 13%以上 |
---|---|---|---|---|---|
水道費 | 31館 | 2館 | 0館 | 1館 | 1館 |
光熱費 | 6館 | 4館 | 3館 | 6館 | 15館 |
維持管理費 | 10館 | 2館 | 1館 | 1館 | 16館 |
調査結果では、水道費を運営費の5%未満に抑えている施設が全体の8割を超えたのに対し、電気やガスといった光熱費については、13%以上かかっている施設が全体の4割を超えました。
動物園のエネルギー消費量については、2016年に大阪市天王寺動物園が発表した「収支に係る現状と課題」の中で、他園と天王寺動物園との比較が公開されています。(※2)
項目\場所 | 天王寺動物園 | 上野動物園 | 旭山動物園 |
---|---|---|---|
水道 | 1,865千円 | 323千円 | 140千円 |
ガス | 221千円 | 1,698千円 | 207千円 |
電気 | 716千円 | 599千円 | 233千円 |
施設の規模や運営方式により違いはありますが、維持費のなかでは電気代がかかっていることがわかります。
上野動物園・多摩動物公園・葛西臨海水族園・井の頭自然文化園など、東京都の都立動物園・水族園では照明のLED化や循環ポンプのインバータ化を推進し、高効率機器への更新も適宜行って電力消費量を抑えています。(※3)
再生エネルギーへの転換も順次実施し、上野動物園のゾウ舎・両生爬虫類館などに太陽光発電装置を設置しています。多摩動物公園では、園内を移動するバスの代替として電気自動車を採用し、急速充電設備の設置やバイオガスプラントを導入しました。
2012年にオープンした京都水族館では、館内で使用する電力の100%を再生可能エネルギー由来で調達しています。
開業以来、環境配慮のための取り組みを実施し、水槽内の水はすべて人工海水を採用。館内照明のLED化やイルカスタジアムの屋根に太陽光発電システムを取り付けるといった配慮を実施してきました。
ITを利用して空調や照明を制御する「BEMS」を導入し、館内設備のエネルギーを実施しています。また、太陽光発電や雨水再利用等により、再生可能エネルギーを活用しています。
さまざまな生き物の命を預かる水族館や動物園では、水道光熱費の節約や再生エネルギーへの転換が課題となっています。大規模な施設では照明のLED化などが進められ、日中帯の太陽光エネルギー活用も方策として活用されています。省エネ対策の参考に、施設ごとの取り組みや今後の計画をチェックしてみてください。
以下のページでは、省エネ対策に役立つトピックを紹介しています。省エネ対策を検討中の方はぜひチェックしてください。
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※3:エネルギーの計測や見える化等の機能を備えた設備
※4:2024年3月時点